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釣り具のレビュー、 DIY、雑ハック

BlueCurrent 78 NANO Bait のインプレ

生産終了モデルのインプレはどうかなと、少し迷ったのですが、とてもいい竿ですし、中古市場でもよく見かけるので、少し記事にしたいと思います。

 

最初に能書きを垂れます。

 

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ショアソルトシーンにおけるベイトタックルの市民権は、ロックフィッシュでの使用を皮切りに、シーバス、ショアプラッギングと徐々に広がってきているように思います。

 

そして数年前から、具体的には 16 ALDABARAN の登場以降、いわゆるソルトベイトフィネスという文言が盛り上がりを見せていると思います。

 

「アンダー 1 g のジグヘッドリグも十分〜〜〜」

 

とか、

 

「ベイトリールの進化によって可能になった〜〜〜」

 

といった、軽量リグの操作性についての謳い文句をよく目にするようになりました。

 

内容には同意しますが、ジグ単をスピニングではなく、ベイトタックルでやるメリット、、、というと、まぁ賛否ありますよね。

タックルの価格帯や敷居の高さなど総合的みて、少なくともベイトフィネスタックルに肩入れしてあげないと比較はできない、くらいの状況だと思います。

 

いきなりソルトベイトフィネスに対して批判的な内容になりましたが、これはジグ単クラスの話です。

より広義のソルトベイトフィネスの釣りは、利点も多いと思っております。

 

ライトロックフィッシュなどは特に、ベイトタックルの利点を存分に生かしつつ、フィネスタックルの軽快さが相まり、ファンの多い釣りになっていると思います。

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そういった、ソルトベイトフィネスの上限付近(ソルトベイトパワーフィネスとでもいうんですかね笑)での操作性を求めて、日々スペック表を睨みつけたり、インプレ記事巡りされている方々が、この竿に目をつけていると思います。

 

そして、この竿はその目的にぴったりの竿です。

 

ということでインプレに入りたいと思います。

 

ヤマガブランクスの竿であること、またベイトタックルであるという先入観がバイアスをかけた結果かもしれませんが、初めて触った時は、かなりファーストテーパーな竿だという印象を受けました。

 

負荷に応じてスムーズにベンドが降りてくるのが、多分ヤマガブランクスの特徴だと思います。

しかしながら、この竿のティップとベリーの間には、しきいがあるように感じました。しきい値を超えるとまたスムーズにベンドが降り出すという感じです。

 

このテーパーデザインによって、ベイトタックルにおいて犠牲になりがちな感度を担保しつつ、キャスト性能を最大限高めているように思います。

 

概要はこのくらいにして、具体的な使用感のインプレに入ります。

 

軽快、だけど感度は、、、

ベイトフィネスタックルの利点としてしばしば挙げられる、兎に角やってて楽しいという抽象的な表現は、概ねその軽快な使用感(ワンアクションでのキャストとリーリングを切り替えられるなど)からきていると思います。

ソルトシーンでこれを特に感じられたのは、潮流場でのフロートを使用したジグヘッドリグの操作でした。アップクロスに投げて流し込んで、、またキャストして、、という操作が軽快でした。

しかしながら、同様の作業を 73 tz でやると、明らかにバイトの数が違いました。これはバイトを感知できたかどうかの差だと思われます。

キャスト性能を担保するのために、どうしても感度を失うベイトタックルに共通の欠点だと思います。

感度をとってベールの操作で損をするか、感度の代わりに軽快さを取るか。

釣果に繋がるのは、、、、、どうでしょうか。

 

ftkhsh.hatenablog.com

 

0.8 - 1.2 号 PE での使用がおすすめ

こと 16 ALBADERAN を組み合わせた場合の話になりますが、ブレーキのダイナミックレンジをフル活用できるのは、このくらいの PE ラインだと思います。張力で見るとアンバランスになりますが、これに 2 - 3 号のリーダーを 3 ヒロくらいというのがトラブルレスに使用できるセッティングだと思います。 

太系でも飛距離がそう落ちるものではないので、リーズナブルだと思います。

私は PE 0.8 号 75 m に 2 号のカーボナイロンリーダー 3 ヒロで使用しておりました。

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さすがの粘りとバットパワー

ヤマガブランクスの竿ではもはや決まり文句になっている、曲がって粘る性能が、スピニングと比較して劣るとされるドラグ性能を十二分に補っていると思います。また、曲がった後のリフト性能も高く、想像より大きな魚が浮いてくる経験をすると思います。

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高い汎用性

ジグ単などしないと心に決めれば汎用性も高い竿だと思います。

ワームのズル引きや、ライトワインドはもちろん軽快にできます。

また SLS などにおいては、テクニカルなフォールコントロールが可能です。

北風小僧のシャクリ太郎*1でなければ、エギングも十分できると思います。

潮流場でエギを流し込む際には、もしかするとスピニングより分があるかもしれません。

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以上、ヤマガブランクスの竿としては少し異質な竿かもしれませんが、汎用性が高く、使いやすいベイトフィネスロッドだと思います。

汎用性という点を含め、少し似たスペックの竿に BlueCurrent III 82/b がありますが、私は 82/b より 78 tz bait の方がシャープな分、使いやすいと思います。

82/b は正直ダルく使いにくい印象です。もちろん個人差はあると思いますが。

 

以上、生産終了品にはなりますが、個人的評価の高い竿でしたので、インプレいたしました。何か参考になれば幸いです。

 

それでは。

*1:※必要以上にヒュンヒュン言わせるエギンガー