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PALMS SHOREGUN EVOLVE SFTGS-811L BLUERUNNER のインプレ

所謂スーパーライトショアジギング(SLS)ロッドという位置付けでショアガンエボルブ・ブルーランナーにラインナップされる本竿。

 

小型のジグを軽快に操作することにフォーカスしたセッティングになっているものと思われますが、なんでもロッドとしてのポテンシャルが高いです。

 

本記事ではなんでもロッドとしての本竿のインプレを述べたいと思います。

 

はじめに能書きを垂れます。

 

以前紹介した ヤマガの78bait にも通じるものがありますが、程々の魚を少しライトなタックルで狙う釣りがここ最近人気になっている気がします。

 

全体的な操作は軽快であり、しっかりと竿を曲げたファイトを堪能できるのが人気の理由だと思います。

また、操作する小型ルアーには、多様な魚がアプローチし、時に思いもよらぬ魚が釣れるのも面白さのひとつだと思います。

 

このような所謂ライト五目釣りロッドは2種類に大別できると思います。

一方はアジング・メバリングロッドの延長としてのなんでもロッド。

もう一方はロックフィッシュやシーバスロッドのようなミドルクラスロッドを繊細にしたようなロッドです。

 

本竿はその名前から、後者であると想像されますが、筆者の印象としては前者にあたる気がしています。

 

これは感覚的で個人差が多分にあるものなので、定義することに意味はありません。

あるひとが胴調子と感じた竿を、ある人は先調子と感じるかもしれません。

ご自分の定義に変換しながら読んで頂き、竿の印象を感じて頂けると幸いです。

 

それではインプレに入ります。

 

かなり先調子の竿

 

筆者がヤマガブランクスの竿に偏った使用歴を持つことも影響しているとは思いますが、それにしてもずいぶんファーストテーパーなロッドだと思います。

 

これは開発者の沼純(沼田純一さん。某掲示板でこう呼称されていました。幼少期のあだ名の付け方を思い出してほっこりしました。)の発言に従えば、リーリングでティップを曲げて、これの反発で小型ジグを操作するためのセッティングです。

そのためか、ティップ内ではテーパーの勾配が少ないように思います。竿の先端から数十センチ付近に曲がる部分があって、これを支点にティップが動くような印象です。

 

(ティップのテーパーの勾配が少ないことは除きますが、)このような先調子のセッティングから、アジング・メバリングロッドの延長としての竿だと筆者は感じたわけです。

もちろん、ショートバイトを絡め取る目的でかなり先調子にしたライトなシーバスロッドなどもあるので、なんとも言えませんが、筆者はそのような感覚を持ちました。

 

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写真のナンヨウカイワリを釣った時は、ショートバイトが続き、なかなかフッキングできない状況でした。

その際、アジングなどにおける、吸い込ませる感覚を意識することで釣り上げることができました。

この経験からアジングロッドの延長のような感覚が強くなりました。

 

もちろん釣り上げた後に魚の正体が分かるわけですが、アジのようなフォルムの魚に吸い込まれたワームを見ると、何か納得感がありました。

 

アジング・メバリングの使用感はそのままに、5 ~ 10 g 程度のジグヘッドを使用したジグ単のような、ひと回りパワーアップした釣りにも適していると思います。

 

繊細かつ強靭

 

小見出しのような文言はロッドの説明として、かなり擦り切れたものですが、どうしても使ってしまいます。

"ハリがあるけど曲がる"に匹敵するくらい使い古された文言だと思うので、なんとか使用を避けてみたいのですが、やっぱり一言でいうとこの文言になります。

 

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写真のヒラスズキは、ひとしきりサラシを打ったあと、「さて、どうしたものか、、、。」と、とりあえずあらぬ方向にキャストした時。つまり完全に油断した時にジグヘッドリグをひったくって行った魚です。

 

もちろん追い合せは必須だったと思いますが、ほぼオートマチックにフッキングしてくれる繊細さに救われた気がします。

その後、45 cm とサイズは振るわなかったものの、立派な体高で、重量感のある魚でしたが、余裕の抜き上げ。

 

ラインセッティングさえ許せば、かなり強引に使用しても大丈夫だと信じられる強靭なバッドを備えています。

 

ロッドが重く、使用感も少しダルい

 

価格相応のものと思われますが、同クラスの高級ロッドと比較すると結構重いロッドになります。

 

また、~12 g くらいまでのリグのキャストに不満はありませんが、Max ウエイト付近になると、ダルさがあり、飛距離も重量に比例しなくなります。これもまた価格相応な性能だと思います。

 

ヤマガの85tzや93tzと比較すると、軽快さも、MAXウエイト付近での振り抜け感も、格段に劣ります。

 

但し、筆者はできが悪いので、重量感から「強そうなロッドだな。」というポジティブな感覚を得ることができます。

 

エギングも十分できる

 

筆者がイカエギンガーを軽視していることもありますが、なんの不満もなくイカを釣ることができます。

 

もちろんそれぞれの釣りに奥深さがあり、それを堪能するために必要な性能や心持ちがあるのは分かります。

 

但し、ロッド一本でなんでも釣ってやろう、というモチベーションの筆者にとって、本竿はエギングに十分通用するロッドです。

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先に述べた重さやダルさが理由で、北風小僧のシャクリ太郎*1 が満足する竿でないことは確かです。

 

 

 

 

 

本来の SLS という目的から少し距離を取ったインプレになりましたが以上です。

もちろん SLS は軽快に楽しめます。

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それでは。

*1:必要以上にヒュンヒュン言わせるエギンガー