SHIMANO ドレインヒップバッグ BW-013U インプレ【磯装備】
(地)磯での使用を想定した、タックルバッグのインプレをいたします。
最初に能書きを垂れます。
ここ最近は釣り人のリテラシーもそこそこ上がりつつあるようで、釣り場でご一緒する方々の多くが、しっかりライフジャケットやフロートを着用しているように思います。
一方で、荒れた地磯にパーカー+クロックス姿で現れる北風小僧のシャクリ太郎*1が散見されるのも現状です。
知能と収入が低いために、どうしてもライフジャケットや磯靴などの安全装備を用意できない種族が一定数いるのは仕方ないようです。
しかしながら、リテラシーの問題は、初心者の努力だけではなく、ある程度経験を積んだ側が積極的に情報発信して、改善すべき点でもあると思います。
とは言いつつも、「偉そうに語りやがってw」とか思われそう、などと自意識が拗れてしまって、なかなか発信しにくい部分がありますよね。中学の英語の発音みたいな感じです。
そこで、竿やリール、ルアーといった直接魚とやりあう道具だけではない、釣りの周辺装備についてもインプレをしつつ、リテラシーの向上を仄めかしたいと思います。
それに、こういった周辺装備のインプレ情報は比較的乏しく、お求めの際は、実際に釣具屋で触って決めるしかない状況が多いように思います。このインプレを通して、特に大型釣具店が近くにない方の役に立てたらなと思います。
それではインプレに入りたいと思います。
私は基本的に装備を必要最小限にする努力をする教の信者です。
これは、軽快に釣りがしたいという思想とともに、身軽であることは安全面でも重要な点だと考えているからです。
また、そもそも軽量なものとか、機能的なものとかについてあれこれ調べて、買ってみて、、という作業自体が好きです。
そして釣り人の半数程度はそういった性分なんじゃないかと思っております。
(もう半分くらいは重装備マン)
今回インプレするドレインヒップバッグは少なからず、装備必要最小限教信者にささるバッグだと思います。
底部のフィッシュグリップホルダー
バッグの底部にフィッシュグリップを付けることができます。
ここで本質情報()を入れておきます。
私は商品情報にあるフィッシュグリップ、UE-301T を使用しています。
このフィッシュグリップはウエイトの計量機能もついていて便利なのですが、インプレのヒップバッグには少し大きいです。
完全に落ちることはないので問題はないのですが、磯歩きの際、ずり落ちてきて気になる場合があります。
計量機能の無いタイプのシマノのフィッシュグリップやボガグリップ、これらの類似品ならズレることなく保持できると思います。
便利なフラットモールシステム
ベルト部分はいわゆるフラットモールシステムが採用されていて、多くの装備を保持することができます。
D管は写真のように片側にしかありませんが、それでも正直持て余しております。
自分は下の写真のような感じで、リンクを貼っている装備たちを保持させています。
青物やヒラスズキ狙いの地磯ランガンには十分な容量
写真のような感じで、商品情報にある規格のルアー・小物ケースを収納できます。
3020 の薄型なら2つ、ノーマルなら1つ入れることができます。
ディープタイプは入らないことはありませんが、出し入れがめちゃくちゃ大変です。
ドレイン機能つけるなら、、、
隣の磯まで泳ぐとか、ウェーディングする方には便利な機能かもしれません。
しかしながら、内側は撥水素材ではないので水が生地に染み込みます。
内ポケットの生地なんかはベチャベチャになります。ドレイン機能つけるのなら、内側も撥水素材とか、全てを流行りのターポリンにすべきだと思います。
少なくとも入水しない私には意味のない機能です。
蛇足
青物メインの筆者ですが、このバッグの D管につけて、こんな感じでエギを隠し持っています。磯場では、投げれば抱く大型見えイカにちょくちょく出くわすので、気軽におかずを増やすことができます。
以上、能書きが過ぎましたが、ヒップバッグのインプレでした。
周辺装備にここまでインプレしている記事は少ないと思いますので、これからも本質情報()をお届けできるよう精進いたします。
それでは。
BlueCurrent 78 NANO Bait のインプレ
生産終了モデルのインプレはどうかなと、少し迷ったのですが、とてもいい竿ですし、中古市場でもよく見かけるので、少し記事にしたいと思います。
最初に能書きを垂れます。
ショアソルトシーンにおけるベイトタックルの市民権は、ロックフィッシュでの使用を皮切りに、シーバス、ショアプラッギングと徐々に広がってきているように思います。
そして数年前から、具体的には 16 ALDABARAN の登場以降、いわゆるソルトベイトフィネスという文言が盛り上がりを見せていると思います。
「アンダー 1 g のジグヘッドリグも十分〜〜〜」
とか、
「ベイトリールの進化によって可能になった〜〜〜」
といった、軽量リグの操作性についての謳い文句をよく目にするようになりました。
内容には同意しますが、ジグ単をスピニングではなく、ベイトタックルでやるメリット、、、というと、まぁ賛否ありますよね。
タックルの価格帯や敷居の高さなど総合的みて、少なくともベイトフィネスタックルに肩入れしてあげないと比較はできない、くらいの状況だと思います。
いきなりソルトベイトフィネスに対して批判的な内容になりましたが、これはジグ単クラスの話です。
より広義のソルトベイトフィネスの釣りは、利点も多いと思っております。
ライトロックフィッシュなどは特に、ベイトタックルの利点を存分に生かしつつ、フィネスタックルの軽快さが相まり、ファンの多い釣りになっていると思います。
そういった、ソルトベイトフィネスの上限付近(ソルトベイトパワーフィネスとでもいうんですかね笑)での操作性を求めて、日々スペック表を睨みつけたり、インプレ記事巡りされている方々が、この竿に目をつけていると思います。
そして、この竿はその目的にぴったりの竿です。
ということでインプレに入りたいと思います。
ヤマガブランクスの竿であること、またベイトタックルであるという先入観がバイアスをかけた結果かもしれませんが、初めて触った時は、かなりファーストテーパーな竿だという印象を受けました。
負荷に応じてスムーズにベンドが降りてくるのが、多分ヤマガブランクスの特徴だと思います。
しかしながら、この竿のティップとベリーの間には、しきいがあるように感じました。しきい値を超えるとまたスムーズにベンドが降り出すという感じです。
このテーパーデザインによって、ベイトタックルにおいて犠牲になりがちな感度を担保しつつ、キャスト性能を最大限高めているように思います。
概要はこのくらいにして、具体的な使用感のインプレに入ります。
軽快、だけど感度は、、、
ベイトフィネスタックルの利点としてしばしば挙げられる、兎に角やってて楽しいという抽象的な表現は、概ねその軽快な使用感(ワンアクションでのキャストとリーリングを切り替えられるなど)からきていると思います。
ソルトシーンでこれを特に感じられたのは、潮流場でのフロートを使用したジグヘッドリグの操作でした。アップクロスに投げて流し込んで、、またキャストして、、という操作が軽快でした。
しかしながら、同様の作業を 73 tz でやると、明らかにバイトの数が違いました。これはバイトを感知できたかどうかの差だと思われます。
キャスト性能を担保するのために、どうしても感度を失うベイトタックルに共通の欠点だと思います。
感度をとってベールの操作で損をするか、感度の代わりに軽快さを取るか。
釣果に繋がるのは、、、、、どうでしょうか。
0.8 - 1.2 号 PE での使用がおすすめ
こと 16 ALBADERAN を組み合わせた場合の話になりますが、ブレーキのダイナミックレンジをフル活用できるのは、このくらいの PE ラインだと思います。張力で見るとアンバランスになりますが、これに 2 - 3 号のリーダーを 3 ヒロくらいというのがトラブルレスに使用できるセッティングだと思います。
太系でも飛距離がそう落ちるものではないので、リーズナブルだと思います。
私は PE 0.8 号 75 m に 2 号のカーボナイロンリーダー 3 ヒロで使用しておりました。
さすがの粘りとバットパワー
ヤマガブランクスの竿ではもはや決まり文句になっている、曲がって粘る性能が、スピニングと比較して劣るとされるドラグ性能を十二分に補っていると思います。また、曲がった後のリフト性能も高く、想像より大きな魚が浮いてくる経験をすると思います。
高い汎用性
ジグ単などしないと心に決めれば汎用性も高い竿だと思います。
ワームのズル引きや、ライトワインドはもちろん軽快にできます。
また SLS などにおいては、テクニカルなフォールコントロールが可能です。
北風小僧のシャクリ太郎*1でなければ、エギングも十分できると思います。
潮流場でエギを流し込む際には、もしかするとスピニングより分があるかもしれません。
以上、ヤマガブランクスの竿としては少し異質な竿かもしれませんが、汎用性が高く、使いやすいベイトフィネスロッドだと思います。
汎用性という点を含め、少し似たスペックの竿に BlueCurrent III 82/b がありますが、私は 82/b より 78 tz bait の方がシャープな分、使いやすいと思います。
82/b は正直ダルく使いにくい印象です。もちろん個人差はあると思いますが。
以上、生産終了品にはなりますが、個人的評価の高い竿でしたので、インプレいたしました。何か参考になれば幸いです。
それでは。
BlueCurrent 73 All-Range tz/nano professor のインプレ
85 tz/nano All-Range をコンパクトかつシャープに、というコンセプトの竿です。具体的な使用感をインプレしたいと思います。
最初に能書きを垂れます。
一度上げてしまった生活の質は、よっぽどの事がないと下げられないと言います。
確かに、私も学部時代は仕送りの米に、99 円 / 24 袋の謎のインスタント味噌汁と、パック納豆で、毎日毎食大満足だった筈なのに、、、気付けばセブンプレミアムのとみ田つけ麺じゃないと満足できない体になってしまいました。
85 tz を愛した同志たちにも思い当たる節がある筈です。
手にしたばかりの頃は、その汎用性、操作性に惚れ込み、
「ライトゲームはもうこれだけでいいな。ジグ単アジングとか別にやんなくていいし。」
とか思っていた事でしょう。
それが半月もすれば、
「やっぱフロートありきじゃなくて、ジグ単やりたいし、Jig head special 買おっかなー。」
とか思ったに違いありません。
そして、あろうことか、
「85 tz をあと少しライトにしてくれないかなー」
などと願った筈です。
それがこの竿です。
ジグ単アジングでの操作性を求めつつも、12 g のプラグまで扱えるという、汎用性を維持したモデルになります。
0.5 g ジグヘッドにワームのトータル 1 g 前後のリグを扱うことができたかと思えば、2.5 号のエギをシャクり倒すことができます。
カケ調子の高感度竿
ソリッドティップの竿と、チューブラーの竿の比較の際に多用される、ノセ調子かカケ調子かの区分でいくと、この竿はその構成通りカケ調子です。また、かなりハリを持った竿ですので、その感度は抜群です。
シームレスなベンドのシフト
ティップからベリー、そしてバットへと、負荷に応じてベンドが降りてきます。そのため、元気な豆アジをバラさない一方で、フッコクラスまで抜けます。
本当に 85 tz をライトにリファインした竿だと思いますが、もう少し踏み込んだインプレを記載したいと思います。
よりライトななんでも竿かと思いきや、、、
竿の仕様としては、ジグ単からエギングまでこなす正に万能竿に仕上がっています。しかしながら、ラインの問題でこれらは完璧には両立しないものと思われます。
ジグ単での操作性を優先して細糸にした場合、2.5 号のエギの扱いは、ラインの細さに応じた力加減で、気を使いながらエギを操作することになると思います。
逆に、エギのフルキャストを優先したラインセッティングすると、ジグ単の操作性と感度を著しく奪うことになります。
クルミを割るのと落花生を割るのとでは、必要な力に大きな差を感じると思います。一方、落花生とピスタチオでは、コツは違えど、加える力の大きさにほとんど差はないと思います。
そういった人間の扱いやすい力の掛け方の区分において、ジグ単アジングとエギングは、クルミと落花生のように全く別の区分にあると思います。
総合的に、いわゆる万能竿という印象になります。
どうしても、専用竿クラスの操作性などを求められるものではありません。
辛辣なインプレになってしましましたが、土台無理な難題を高次元で解決しようとしている竿として、随一のものだと思います。
求める次元が高すぎると思います。
85 tz に味をしめてしまったのです。
やはり一度上げた質は、なかなか下げられるものではないようです。
ジグ単においてもエギングにおいても失うものを最小限にしつつ、他方をより快適に扱えるようにするラインセッティングは、
PE 0.5 号 + フロロカーボンリーダー 1.75 号
くらいだと思います。
今回は、それなりに本質情報()めいたインプレができたのではないでしょうか。
それでは。